これからのサービスは会話型UIの活用方法が重要になる
Facebookが、毎年4月に開催している開発者向けカンファレンスF8において、Messangerのオープン化を発表するのでは?とMashableが報道しています。
具体的には、配信者がbotを使って、Messenger上でユーザとコミュニケーションが取れるようになるとのこと。
mashable.com
実現された場合、メッセージングアプリでの消費時間や、LINEのような会話型のUIに触れる時間が、今後圧倒的に増えると予測します。
触れ方は大きく2パターンあります。
- メッセージングアプリに他サービスが内包されていく
- 会話型UIで提供・実現されるサービスが増えていく
最初に、今世界で起きているメッセージングシフトのトレンドを紹介し、なぜメッセージングなのか?今後どうなっていくのか?といった自分の考えを書きます。
メッセージングアプリに他サービスが内包されていく
Facebook MessengerやLINEなど、既に多くのユーザを抱えているメッセージングアプリが、他のサービスやメディアと連携しはじめています。
Facebook Messenger
Facebook Messengerは、色々なサービスをその中に飲み込み始めています。
日本では提供されていませんが、アメリカでは他サービスと連携したり、メッセージを送る以外の機能を提供していたりします。
Uberを呼べる
Spotifyの音楽をシェアできる
LINE
LINEも、公式アカウントを利用したニュース配信機能を外部メディアに開放する「アカウントメディアプラットフォーム」を昨年末に開始。
私はほとんどLINEは使わないのですが、この機能だけはヘビーユーズしており、最近はLINE経由でTCを読むことが増えてきました。
jp.techcrunch.com
LINEをユーザ接点として活用する企業も増えてきていて、ドミノピザのLINE経由での注文が月間1億円を突破したり、クロネコヤマトの宅配通知がLINEで受け取れるようになったりしています。
Facebookが買収したWhatsAppも、銀行や航空会社との連携が可能になり、残高照会やフライト情報の照会などをテストしていくと発表しています。
Making WhatsApp free and more useful - WhatsApp Blog
Telegram Messenger
Telegramは、公式でBOT APIが公開されており、誰でもTelegramを通じてユーザとコミュニケーションを取ることができる仕組みになっています。
Telegram Bot API
世界で一番連携が進んでいるメッセージングアプリは中国のWeChatだと思っていて、送金やタクシー配車はもちろんのこと、買い物や公共料金の支払いまで可能です。
FacebookもLINEもWeChatを目指している気がします。
会話型UIで提供・実現されるサービスが増えていく
メッセージングアプリに内包でなく、単独で提供されるサービスも、会話型のUIで提供されるものが増えてきています。
カンバセーショナル・コマース
会話型のEC。店員と会話しているようなフローで商品の質問をしたり、購入をしたりすることが可能。
タオバオも、購入者とのチャット機能が重宝されており、手軽に素早くやり取りできる良いUXを提供しています。
※テキスト入力だけでなく、音声入力などもカンバセーショナルといわれています。
カンバセーショナル・マーケティングともいわれ、簡単に導入できるツールもいくつか提供されています。
ペコッター
グルメQAアプリのペコッターは、LINEのUIでお店を教えてもらうことができますし、予約も運営にチャットすることで実現されます。
ほぼ全ての操作が会話型UIで完結するサービスです。
なぜメッセージングシフトなのか?
メッセージングアプリは利用頻度が高い
スマホで常時ネットにつながるようになり、多くのサービスが提供されている現在は、ユーザの限られた時間をいかに自サービス上で過ごしてもらうかが重要になってきています。
人間の時間消費において誰かとコミュニケーションを取るという活動は割合が高く、そのため、メッセージングアプリは他のサービスよりも起動頻度が高く滞在時間が長くなります。
実際に、メッセージングアプリのMAUは、SNSを抜いて伸びています。
ユーザの時間消費の多いサービス内で自社のサービスを提供することで、自社のサービスに対する接触機会も増えるので、利用してもらう可能性が高まります。
会話型UIは慣れていて手軽
UIにおいて、ユーザの学習コストというのは重要な要素です。
国内でも、LINEは老若男女が利用していますし、非常にシンプルで手軽です。
多くのやり取りは友人や家族、恋人などライトなものなので、同じ画面・UIで提供することで、利用に際する心理的な障壁を下げることも期待できます。
今後どうなっていくのか
Facebook MessengerやLINEなど、既存のメッセージングアプリが他社連携や自社提供で、そのアプリ内でできることを増やしていくことは、今後も継続されると思います。
UberやSpotifyのように、既に提供しているサービスをメッセージングアプリにアジャストするサービスも増えてきそうです。
これから出てくるサービスが、ペッコターのようにチャットベースになったり、既存サービスでもあっても、チャット機能を導入できるSaaSなどによって会話型のUIを提供したりするでしょう。
ユーザのメインデバイスがスマホにシフトし、よく使われるサービスがメッセージングアプリになっている今、どのようなサービスであっても、会話型のUIで提供・実現できないか?と一度考えてみることはサービス企画者として大事な視点になってきそうです。
このサービスを会話型のUIで実現するとしたら?からはじめても良いかもしれません。
検索エンジンからSNSにユーザの入り口が移動したのと同じかそれ以上のインパクトがあるトレンド変化なので、今後も要注目です。