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動画コンテンツ時代のSEOとクラウドソーシング活用を考える

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最近、インターネットをしていると、動画コンテンツによく遭遇するようになりました。どういった動画コンテンツが増えているのか、どんな課題があるのかまとめてみました。特に、課題については色々な方と意見交換して深堀りたいです。

存在感を増す動画コンテンツ

動画が存在感を増している要因の一つとして、動画とモバイルの親和性の向上があり、以下のような構図が成り立っていると思います。

  1. スマホの普及によりインターネットに費やされる時間が増える
  2. スマホでの動画閲覧が最適化される
    1. コンテンツの最適化
    2. デバイスの最適化(大画面、高解像度)
    3. モバイルインターネット環境の最適化(LTE、WIMAX2)
  3. 1,2の結果、動画コンテンツに費やさせる時間が増える
  4. 需要があるので動画コンテンツの生成量が増える

実際、Youtubeへのアクセスの実に40%が、モバイル経由となっています。(2011年は6%でした)

動画は、テキストに比べて表現力が高く、ながら観ができたりと閲覧も楽なので、動画にアクセスしやすくなれば、試聴回数が上がるのも納得感があります。

SNS上に増える動画コンテンツ

スマホの利用用途の1位は、SNSの閲覧です。SNSの2大巨頭であるTwitterFacebookは、共にモバイルシフトに成功し(Facebookは少し遅れていたが盛り返した)、堅調な業績をあげています。
その2社とも、動画対応にも力を入れています。

Facebookは、動画広告のテスト配信を開始しました。Facebookモバイル広告収入は順調に伸びているので、動画広告でさらなる伸びを狙っていると思われます。
Facebook、自動再生動画広告のテストを開始 - ITmedia ニュース

Twitterは、Vineという動画に特化したSNSをリリースしており、海外では結構流行ってきています。日本ではまだ利用者が少ないですが、とある女子高生の動画が最近バズっており、Twitter上にもそのコンテンツが流れこんできています。
日本のVineで人気No.1!!話題のJK Reika OozekiのVineまとめ - NAVER まとめ

動画を中心としたバイラルメディアの急成長

Upworthyという動画を中心としたメディアの成長が話題になっています。検索流入ではなく、SNSでの拡散を重視した戦略で、Facebook経由の流入を中心に訪問数を伸ばしています。SNSへの拡散導線がこれでもかっというくらいあります。
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日本でも、家入さんが中心となって同様のメディアが立ち上げられ、初月で70万人の訪問があったとのことです。
家入一真氏の新プロジェクト、動画メディアの「dropout」がテスト公開初月に70万人訪問の反響 - THE BRIDGE

既存メディアのマルチメディア化

動画の存在感が増すにつれて、テキストをベースとした既存メディアも動画対応を始めています。
紙面と別路線を進むことで、ビジネスメディアとしてNo1となった東洋経済オンラインは、動画メディアを開始すると宣言しています。
5年後、メディアは稼げるか(講演:東洋経済オンライン編集長 佐々木 紀彦氏) | 情報流通構造 | Dentsu PR Digital

メディアではないですが、堀江さんや大前さんが、Youtubeチャンネルを開設し、動画による情報発信を行っているのも、マルチメディア化の一種だと思います。
堀江貴文 - YouTube

検索とコンテンツ作成コストが課題

動画の検索エンジン対策

コンテンツを多くの人に観てもらう場合、検索エンジンは無視できません。しかし、テキスト情報が少ない動画は、検索エンジンに適切に認識してもらうのが難しくなります。(動画サイトマップの設定を行うなどして、動画情報をGoogleに提供することはできます。)
VSEOという動画に特化したSEOがありますが、いかに動画を認識してもらうか?という部分は今後チューニングが進みそうです。

Upworthyのように、SNSでの拡散が流入経路の多くを占める場合、検索エンジン対応は大きな問題にはなりませんが、SNSのみに依存するのもリスクとなります。実際、Upworthyの流入数が伸びているのは、Facebookのタイムライン表示アルゴリズムの変更も影響していると言われていますが、これは同時に、Facebookの影響を大きく受けることを意味しています。

クラウドソーシングでコンテンツ作成

動画は、表現力がテキストより高い分、作成コストも高くなります。一方で、撮影、編集、文字起こし、ナレーションなど、動画作成に関する作業の一部はクラウドソーシングで実施できます。特に、メディアやYoutubeチャンネルでコンスタントにコンテンツを作成する必要がある場合、コスト以外にも工数の観点から、クラウドソーシングは良いソリューションに成り得ます。海外のクラウドソーシングサービスでマルチメディア系の仕事が増えているのも、動画コンテンツの増加と関連していると思います。


ネット動画とテレビが今後どのように融合していくのかも非常に興味深いです。
テレビでニコ生の番組CMが放送されていたり、Youtubeの広告でテレビ番組が宣伝されていたりと、少し前では考えられないようなことが起きてきています。


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