クローズド化するWeb - キュレーション、エッジランク、Google+
2013年のWebを振り返ってみると、クローズド化が進展したなという印象を受けます。ここでいう「クローズド」とは、「提示される情報が、ユーザの志向をベースに、サービスによってある程度絞りこまれる」という意味です。「パーソナライズ」という言葉の方がしっくりくるかもしれません。
Web全体というオープンな場に対して、検索というアプローチで情報を取りにいっていたのが、絞りこまれた(クローズドな)情報を、受け身で咀嚼するようになってきています。
↓nanapiのけんすうさんが興味深い考察をされています。
【ネタ出し用】「検索」の次に来る情報サービスは何だろう? - nanapi社長日記 @kensuu
具体的に、どういったクローズド化が起きているのか、僕が顕著に感じている3つの事例を挙げたいと思います。
キュレーションメディア
2013年のGunosyの普及は凄まじかったです。Gunosyが配信するコンテンツはかなりクローズドで、自分の志向にあったコンテンツのみ配信されてきます。
僕もGunosyは使っていますが、以前はRSSで決まったサイトをチェックしていたのが、Gunosyから配信される記事でお腹いっぱいになる日が増えました。情報源、内容がGunosyにかなりコントロールされている印象を持ちます。
SmartNewsやNewsPicsも同様です。
Facebookのエッジランク
Facebookのタイムラインは、友人の投稿を時系列で表示するのではなく、ユーザの志向やつながりの強度をベースにした、『エッジランク』という概念を基に表示されています。あまり関係の深くない友達が1分前にした投稿よりも、関係が深い友達がした数時間前の投稿や、自分の志向とマッチする投稿が上位に表示されます。
デフォルトの並び順「ハイライト」は、エッジランクが効いている
Facebookは、ただでさえ友達の投稿しか流れてこないクローズドな場である上に、エッジランクによってさらにコンテンツを絞るのは、相当コンテンツが絞りこまれている印象を受けます。
エッジランクは2013年8月に大幅に改善され、大事な投稿を見逃す確率が減ったと発表されています。
さらに、昨年12月上旬には、メディアサイトのシェアをより上位に表示するといった変更を実施しています。これによりUpworthyやBuzzFeedといったバーティカルメディアの訪問数が伸びています。実際、最近のFacebookタイムラインには、メディアサイトの記事が多く流れてきていると感じます。
最近友達になったけどあまり絡んでいな人のタイムラインをみにいくと、エッジランクが体感できます。その人は沢山投稿しているのに、自分のタイムラインには一切表示されていないことに気づくはずです。
Google+の検索結果への影響
実際に感じたわけではありませんが、Google+の検索結果への影響が増してくることも、クローズド化の一種だと思っています。
アメリカ、イギリスでは既に、Google+上での関係が、検索結果に影響を与えるようになっているようです。
SEO担当者が知っておきたい、Google検索とGoogle+の関係::SEM R (#SEMR)
2014年はどうなるか
今年、クローズド化はまだまだ進展・進化すると思います。
Web上で生成されるコンテンツ量が増える一方で、人々が処理できる情報量は大幅に増えていません。そのため、サービスによる適切な情報提示が益々重要になってきます。
クローズド化において重要なのは、以下の2つであると考えます。
- 分析対象のデータ定義
- 適切な情報を提供するためのルール(上記データの分析含む)
Facebookでいえば、前者は、メッセージのやりとり、いいね数、被いいね数、コメント数などがあたるでしょう(正確にはわからないので予想です)。後者は、どのくらいの頻度でメッセージをやりとりしているとか、どのくらいの割合でいいねを押している・押されているかなどがルールに相当するイメージです(こちらもわからないのであくまで例です)。
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