『Inspired』に書かれているプロダクトマネージャの7つの資質と5つのスキルが納得感ありすぎる
ランサーズというクラウドソーソシングサービスの企画をしています。
割と規模の大きなサービスで、企画職だけでも複数人、エンジニア・デザイナを合わせると結構な人数で1つのプロダクトをつくっています。
規模が大きくなり、関わる人が増えると、プロダクトのマネジメントを体系的に学ぶ必要があると感じています。
最近は業務と並行して色々と勉強していて、シリコンバレーの企業を訪問したり、本を読んだりしています。
国内でも、Webサービスやアプリにおけるプロダクトマネジメントやプロダクトマネージャ(PM)の議論が盛り上がってきていて、
naoyaさんのブログや、slack上のコミュニティなど、Web上の発信も多く見られるようになってきました。
今回は、勉強の過程で読んだ『Inspired』に書かれている、プロダクトマネージャの資質とスキルが非常に納得感がありためになったので、自分の意見と合わせてご紹介します。
- 作者: マーティケイガン
- 出版社/メーカー: 株式会社 マーレアッズーロ
- 発売日: 2015/02/07
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
引用は本に書いてあった事、その下は私個人の考えです。
7つの資質
製品に対する熱意
世の中には、とにかく製品というものが好きで、製品とともに生き、食べ、呼吸しているような人たちがいる。優秀なプロダクトマネージャは、どこの製品であっても 、いい製品に対して愛情と尊敬の念を持っている 。そして 、そういう製品を創り出すために生きている 。
ここでいう製品は、自社製品だけでなく世の中にあるありとあらゆる製品の事を指しています。色々なサービスやアプリを知っていて、使い倒していて、いくらでも語れるという人は確かに存在します。
サービスをつくる上で、熱狂的なまでのサービスへの興味関心は不可欠。
顧客との共感力
私たちは 、ユ ーザ ーのことを考えるとき 、自分自身や自分の友人のことのように考えたくなるものだ 。ところが 、タ ーゲット市場のユ ーザ ーというのは 、何が大切なのか 、何を優先するか 、どう感じるか 、どこまでなら我慢できるか 、どういう経験をしてきたか 、技術についてどの程度理解しているか 、といった点で 、自分自身やその周囲の人たちとはまったく違っているものだ 、と思った方がいい 。
ユーザと対話しているだけでなく、自分自身がユーザとしてサービスを利用する事が重要。私も毎月自腹でサービスを利用しています。笑
知性
プロダクトマネジメントとは 、洞察力と判断力に尽きる 。どちらも明晰な頭脳のなせるわざである 。
ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなど、ベーシックなビジネススキルも高いレベルで求められるかと思います。
仕事に対する倫理観
プロダクトマネ ージャ ーの仕事は 、骨身を惜しまずに働くことを厭わない人でなければ務まらない 。この仕事には責任が伴う 。プロダクトマネージャーは 、製品開発を成功させる最終的な責任を負っていて 、この責任はプロダクトマネージャーに重くのしかかる 。
元GoogleのモーレツPMで、現Yahoo!CEOのマリッサ・メイヤーはその労働時間の長さが有名。1プロダクトの会社であれば尚更その責任は重く、意識する必要がある。
誠実さ
プロダクトマネージャーは 、製品開発チ ームのあらゆる業務について専門家である必要はないが 、チ ームメンバ ーそれぞれの任務を深く理解し 、尊重しなければいけない 。そして 、彼らを信頼して仕事を任せなければならない 。
全部自分でやる必要はないし、現実的にできない。
得意な人達と協力して、ユーザのために良いプロダクトをつくることが重要。
自信
自信は 、説得力のあるコミュニケーションをするときに決め手となる要素であり 、人は 、自信のないリーダーよりも自信のあるリーダーについて行こうとするものだ 。
PMに限らず引っ張る立場の人にとって大切ですね。
姿勢
結果を出せるプロダクトマネージャーは 、自分自身のことを担当する製品の最高責任者だと考えている 。
やらされているか、自分がやっているかの意識。
5つのスキル
技術を活用すること
PMが技術を理解していることは重要。エンジニアリングまで入っていくことで良いプロダクトが生まれる。
GoogleやFacebookのPMは、ほとんどがエンジニア上がりかつコンピュータサイエンスの学位を持っているそう。
私も、エンジニア出身でコンピュータサイエンスの学位を持っていますが、サービスをつくる上で非常に役に立っていると実感しています。
ちなみにGoogleでは、メイヤーがPMになった際にアシスタントPMという制度を作って、これまでMBAの人を採用していたのをやめて、コンピュータサイエンスの人を採るようになったそうです。
FAILING FAST マリッサ・メイヤーとヤフーの闘争 (角川書店単行本)
- 作者: ニコラス・カールソン,長谷川圭
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2015/11/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
本当に大事なものだけに集中すること
大事なものだけに集中することで 、ごちゃごちゃとした機能の数を減らし 、製品を完成させるまでの時間を短くして 、そのうえ市場に製品を届けるまでの時間とコストを減らすこともできる 。
機能追加ではなく機能削減の発想が重要。
時間管理
いわゆる一般的な仕事術とかぶる話です。
コミュニケーション能力
有能なプロダクトマネージャーのプレゼンテーションであれば 、スライドの枚数は必要最小限 、自分の製品についてのしっかりした知識と情熱があり 、人を惹きつけ 、わかりやすく的を射た話しぶりで 、伝えたいことを裏付けるデータをスライドで示し 、プレゼンの要点やプレゼンの後に出席者にやってほしいことは何かをはっきりと伝える 。
「製品についてのしっかりとした知識」が割と大事だと思っていて、用意していないデータでも、ユーザさんはここで困っています、この機能をこう使っていますという引き出しがどれだけあるかが肝。
そのためには、誰よりもサービス、顧客フィードバック、データをみて、自分でも使い倒す。
ビジネススキル
プロダクトマネージャーは 、エンジニアと技術について話すのと同じように 、経営陣やマーケティング部門とは 、コスト構造 、利益 、市場シェア 、ポジショニング 、ブランドなどについて意見を交わさなければならない 。
サービスづくりやエンジニアリングができる・わかればそれでいいわけではない。
特にエンジニア上がりだと、意識して勉強・習得する必要がある。
こうやって列挙されるとレベルの高い職種だなと思う一方で、挑戦のしがいがあるなとも思います。いきなり全部は難しいので、一つ一つ意識しながら習得していきたいと思います。
同じような職種・役割の方、ぜひ情報交換しましょう!
お気軽にご連絡ください。